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クリエーターの声

金沢で稼ぐデザイナーに『はじめに:給料で会社を選ぼう』

ずっとデザイナーを続けるには安い給料のままでは不利。だから…

広告・デザイン制作会社は、給料が安い、残業が多い、休日出勤がある。10年ほど前まで言われてきたことです。その後はずいぶんと待遇も改善さててきたのですが、コロナ禍でふたたび厳しい時代に…

クリ絵(26歳)=グラフィックデザイナー歴4年目の向上心旺盛な女性。ようやく担当のクライアントを持ったが、デザイン業界の将来性に不安を持っている。
師匠(55歳)=地方都市でデザイン制作会社を経営するアートディレクター。約20名のクリエイターとともに多くのクライアントの様々な案件に取り組んでいる。

地方都市で働くデザイナーの優位性は?

クリ絵:師匠、私の美大時代の同級生が転職先を探しているんですが、確か師匠のところは求人募集をしてましたよね。

師匠:してるよ。で、今どこで働いてるの。

クリ絵:東京で100人ぐらいの制作会社で働いてます。けっこう有名な会社です。

師匠:へぇー、辞めるなんてもったいない。

クリ絵:ちなみに給料は手取りで25万円ぐらい、交通費が15,000円ぐらい付いて。ボーナスは年1回で60万円ぐらい出たって言ってました。

師匠:年収で380〜400万円ぐらいかな。手取りはもっと少ないけど、都会でも何とか暮らせるね。良い会社じゃないか。

クリ絵:そうなんですけど。彼は入社以来、ずっと同じクライアントの仕事しかしてないみたいなんですよ。給料は高いんですけど、残業も多いし、もっと他の仕事もしたいと言っているんです。「金沢は住みやすそうだから、地方でデザイナーとして働くのもいいかなぁ」って。

師匠:厳しい戦いが好きな人には向かないけど、色々なことが経験できるのが地方の良さかな。広告や印刷物、パッケージやWEBサイト、ブランディングや動画も、全部まとめて経験できる。浅く広く、短期間で経験できると思うよ。
給料は少し下がるかもしれないけど、家賃も東京の半分ぐらいだし、物価も安いし、変な会社に入らなければ東京よりも豊かに暮らせるよ。

会社選びに失敗するとずっと給料は上がらない、かも…

クリ絵:変な会社? それはどんな会社ですか?

師匠:言い方が悪かったかな。給料がなかなか上がらない会社だよ、入っちゃいけないのは。特にコロナ禍以降は社員の年収がダウンしている制作会社の話もよく聞くし。

クリ絵:でも、そんな会社をどう見分ければいいのか、若い人には難しいですよ。

師匠:そうだね。入ってみないと会社ってわからないよね。まぁ、新卒採用で初任給が税込で22万円以上、残業30時間で手取りで20万円以上になるところなら少し安心かな。中途採用なら35歳ぐらいの社員の年収を教えてもらうといいよ。500万円を超えている会社なら安心だね。
君も転職を考えているのなら、給料の上がらない会社の経営者にはいくつかの特徴があるから調べてみればいいよ。あくまでも個人の意見だけどね。

(1)会社のお金で車を次々と購入している経営者(高級車を3年ごとに買い替えたりする会社はやっぱり危険…)
(2)平日にゴルフをする経営者(営業活動の一環だと言ったりして。本当かな…)
(3)自分だけ出社時間が遅い経営者(自分に甘いだけ…社員には厳しい…)
(4)○○会議所や○○協会の活動に熱心な経営者(営業活動だけど、お金も貴重な時間も結構かかる…)
(5)会社と自宅が同じ建物の経営者(社員の稼ぎで家のローンを払っているかも…家賃をうんと高くして…)

2つ以上当てはまる経営者の会社に勤めたら、きっと年収が低いままで働かされるよ。なぜなら会社のお金と自分のお金を公私混同するようなズルい人が、社員に高い給料を払うわけないから。あくまでも私個人の見解だけど。

転職して豊かなデザイナー人生へ再スタートを切るという選択も

クリ絵:だけど転職前に調べられないなぁ、きっと。

師匠:転職した後にでも分かったら、さっさと次の転職先を探すんだね。給料が他に比べて低いのに、なかなか辞めない人が多い業界だから、いつまで経っても自分たちの給料が上がらないのさ。この業界はみんな給料水準が低いから、自分も低いのが当たり前だと勘違いしている。みんなが低いわけじゃなくて、30代半ばで年収500万円以上、40歳で600万円以上の年収がもらえるデザイン会社は地方にもあるんだから。

クリ絵:私の会社も良い会社なのか、こっそりと先輩に年収を聞かなくちゃ!

師匠:専門教育を受けて、15年以上も必死で働いてきたスペシャリストが、年収500万円以下っておかしいと思わない? 疑問に思わない人は一生リッチにはなれないんだろうね。悲しい話だけど…
逆に転職して給料が多くなるとオシャレもできるし、有料のセミナーにも参加できるし、欲しい資料も買える。刺激を受けるために毎月でも東京へ行けるし、クリエイターとしての成長も大いに期待できる。デザイナーにとって悪いことは一つもない!
だから給料の水準にもこだわって働く会社を選ぶことが、成功するデザイナーの第一歩かな。

クリ絵が分かったこと

できれば年代ごとのお給料水準と経営者を調べてから会社を選ぶこと。
給料の低い会社からの転職を恐れていては一生リッチになれない。

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nishitoshi

nishitoshi

アート・ディレクター/会社経営

地方都市で約20人のクリエイターが所属するデザイン会社を経営。若いデザイナーでも豊かに暮らせる待遇にしていきたいと本気で思っているのだが、まだ道半ば…。毎月必ず厳かで美しい神社にお参りし、真面目に仕事に取り組むことをデザインの神様に誓っている(ちょっと時代遅れの)ディレクター。

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